初めまして!元高専生のHurariと申します。
今回は、高専とは何かを普通高校と比較しながら分かりやすくご紹介します。
私は「高等専門学校」いわゆる高専に在学していました。
しかし、高校受験時期に「高専」というものをはじめて知ったため、普通高校に行くべきか、高専に行くべきかにとても悩んでいました。
そこで、高専というものをよく知らない方のために、シーン別で高専と普通高校の違いをまとめてみました。
高専進学を考えている皆さんのご参考になれば幸いです。
この記事におすすめの方は?
- 高専進学に悩んでいる方
- 高専というワードをはじめて知った方
- お子様の受験に悩んでいる方
- 高校と高専の違いを具体的に知りたい方
高専と普通高校の違い
教育の目的
まず、高専と普通高校の教育機関としての目的の違いからご説明します。
高専について
主に中学校卒業程度を入学資格とし、修業年限5年(商船学科のみ5年6か月)間の課程のもと、主に工学・技術・商船系の専門教育を施すことによって、実践的技術者を養成することを目的にした教育機関である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/高等専門学校
普通高校について
高等学校は中学校の教育を基礎とし、中学校の課程を修了した生徒に高度な普通教育および専門教育を施すことを目的とする。主に市民としての総合的な基礎教養、大学・専門学校など高等教育機関への進学準備、また就職に向けての技術・技能の習得の教育を行う。
https://ja.wikipedia.org/wiki/高等学校
これらのWikipediaの内容を整理すると、下記のようになります。
高専では技術者の養成が目的なのに対して、普通高校では一般的な基礎教養の取得が目的となっています。
そのため、「エンジニアになりたい」「プログラマーになりたい」という方は高専に進学することが多く、「経済について学びたい」「将来やりたいことが漠然としている」という方は普通高校に進学することが多いイメージです。
修業年限と進路の違い
高専と普通高校の違いで、特に異なるのが修業年限の違いです。
高専は5年制の一貫教育の学校なのに対して、普通高校は3年制です。
そのため、高専を卒業すると「準学士」の称号が付与されます(短期大学卒の短期大学士と同等)。
進路を整理するとわかりやすいので、下記をご覧ください。
普通高校から進学の選択をする場合は、主に短大か大学の選択肢になりますが、高専の場合は専攻科という選択肢があります。
専攻科とは、高専本科(1〜5年)に加えて、さらに2年間高度な技術教育を行うことを目的として設立された課程です。
高専から進学を希望する半分弱は専攻科への課程を進みます。
就職と進学の割合
高専と普通高校の卒業後の進路選択は、下記の割合になっています。
普通高校では、進学が約85%となっており、ほとんどの学生が大学などへ進学します。
一方の高専では、就職が約60%となっており、進学は約40%と普通高校に比べて少数派になります。
また、高専での就職先内訳をみると、ほとんどが製造業への実績となっています。
最近はSaaSなどのITが賑わっていますが、やはりモノづくり大国として製造業への就職の実績が高いようです。
しかし、今後はIT系への就職も増えるなどで、多少割合が変化するかと思われます。
進路選択などの詳細については、下記の公式HPをご覧ください。
学校生活における違い
ここまで、教育機関としての高専と普通高校の違いをご紹介しました。
ここからは少し視点を変えて、実際の学校生活に着目した比較を行っていきたいと思います。
入学までの道のり
高専も普通高校と同様に一般入試と推薦入試の道があります。
しかし、高専は理系ということもあり、推薦や一般入試において英数理の配点が高めに設定されるなどの傾向があります。
入試の試験内容は学校によって様々ですが、一般的には下記のようにまとめられるかと思います。
高専を狙っている方は、特に理系科目の勉強をしっかりと対策する必要があります。
また、高専・普通高校ともにTOEICの点数を評価される場合もあるので、英語もしっかり勉強しておくと良いでしょう。
入学時
普通高校の場合は、高校の制服を来て入学式に臨むかと思います。
しかし、高専の場合は制服がないところが多数あります。
そのため、入学式は中学校の制服で参加します。
「入学式でこんなこと考えてたろうな」というイメージ比較はこんな感じです。
※あくまで私のイメージですので、ご参考までに。
普通高校の場合
高専の場合
普通高校の場合は、文系と理系のどちらでも進学できるように設立されているため、入学者数がとても多いと思います。
そのため、色々な人と交流ができるというワクワクと不安があると思います。
高専の場合は、色々な地域から学生が入学するため、寮に入る人も多く、寮生活という環境でうまくやっていけるのかという不安を感じていたりします。
結局は進学する学校によるので、一概に高専と普通高校という括りで比較はできませんが、一般的にはこのような違いがあるかと思います。
学校生活
高専では、制服や頭髪に関する規則がなく自由なところが多いです。
そのため、頭髪チェックや学生指導のようなことがなくストレスフリーです。
普通高校の場合
高専の場合
このように茶髪にしたり、インナーカラーを入れてみたり自由で楽しいですが、制服ディズニーや制服ユニバといった青春も少し憧れるのが事実。
普段の授業風景に関しては、高専と普通高校で大きな差はないかと思います。
部活動
部活動はいろんなドラマや思い出が作れますよね。
もちろん好きなことをしたいし、帰宅部という選択肢も捨てがたい。
普通高校の場合
高専の場合
やはり高校の部活動といえば、甲子園ですよね。
高専の場合はロボコンが一番有名な大会です。
ちなみに、ロボコンとはロボットを作って指定の競技を行うコンテストのことです。
また、高専の場合は同好会を作って自分がサークル長になるということも簡単です。
さらに、顧問の先生が部活動を仕切るというよりかは、キャプテンが仕切るというようなことの方が多い印象です。
もちろん、高校や高専の入る部活にもよるので、あくまで参考までです。
学校行事
高校の学校行事はドラマで見るようなキラキラをイメージしますよね。
例えば、文化祭でお化け屋敷をしたり、男女でワイワイという感じ。
一方の高専では、女性が少ないということもあり、文化祭で男子が女装をしてダンスするというような変わったイベントなどがあります。
普通高校の場合
高専の場合
全部の高専がこんな感じではないでしょうが、一般的な文化祭とは少し雰囲気が違います。
また、修学旅行も会社見学メインであったり、海外に行けたりという可能性が高いのは高専の特徴かもしれません。
※普通高校でも修学旅行が海外であったり、会社見学が多い場合もあると思うので、あくまで参考です。
ちなみに、高専の文化祭は、他校から人が集まるということはあまりないです…。
進級時
進級する際のクラス替えってワクワクしますよね。
高専の場合は、学科ごとにわかれる3年時以降は1クラス(約40人)でまとまるため、クラス替えのワクワクは味わえなくなります。
普通高校の場合
高専の場合
普通高校の場合、席替えも楽しいイベントの1つだと思います。
一方の高専では、寮生活をしていたりで、一緒にいる時間が多く席替えに対する想いが小さかったりします。結局、授業終われば一緒だしなという感じです。
また、高専では赤点が60点と厳しいため、留年や学校をやめるという人もチラホラいます。
進級に対する危機感は、普通高校と多少違う部分でしょう。
卒業時
楽しかった高校生活もあっという間で卒業式はこんな感じです。
普通高校の場合
高専の場合
先述の進路割合のように、普通高校の場合は大学への進学が多く、高専の場合は就職の場合が多いです。
また、高専の場合は留年や辞める学生もチラホラいるため、入学から1〜2割くらい人数が減ります。
普通高校、高専のどちらへ進学しても大切な友達ができ、卒業後もたまに旅行やご飯に行ったりしてかけがえのない時間を過ごせるのは一緒ですね。
高専と普通高校の違い|まとめ
いかがでしたでしょうか。
高専と普通高校の違いをざっくりまとめると下記です。
- 教育の目的が「技術者の養成」と「基礎教養の習得」で違う
- 修業年限が普通高校3年、高専5年と違う
- 卒業後の進路が、普通高校は進学、高専は就職メインと異なる
本記事をご覧いただき「高専ってそんなところなんだ」という気づきや、進学の選択肢の参考に少しでもなれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。