高専専攻科へ進学するメリットとデメリット|高専OBの感想

高専のこと

初めまして!元高専生のHurariと申します。

今回は、専攻科へ進学するメリットとデリメリットについてご紹介します。

私は「高等専門学校」いわゆる高専に在学していました。

一般的に高専卒業後は、就職か進学かの選択になり、進学の中では主に「大学編入」か「専攻科進学」の2パターンに分かれます。

私は大学編入を選択したのですが、専攻科へ進学した友人もいます。

そこで、専攻科へ進学した友人からメリットとデメリット、進学して良かったかどうかを聞いてみました。

高専から専攻科へ進学を考えている皆さんのご参考になれば幸いです。

この記事におすすめの方は?

  • 高専からの進路に悩んでいる方
  • 専攻科進学に悩んでいる方
  • 高専在学中のお子様がいる保護者の方
スポンサーリンク

専攻科とは?

まず、「専攻科とはどんなところ」なのか、国立高等専門学校機構によると下記のように位置付けられています。

専攻科は5年間の高専教育の上にたって、さらに2年間のより高度な技術教育を行うことを目的として、1992年に初めて設置されました。

専攻科の設置により、技術開発力、問題解決能力を備え、広く産業の発展に寄与できる高度で幅広い知識を持った技術者が誕生しています。

専攻科の課程を修了し、大学評価・学位授与機構の定めた条件を満たした者は、同機構に申請して学士の学位を得ることができます。学士を得れば、大学の学部卒業生と同じ扱いとなり、大学院に進学できます。

https://www.kosen-k.go.jp/nationwide/feature/hj_1-16senkoka.html

とても簡単にいうと、「高専本科課程(5年制)にプラスして2年間でさらに専門性を磨ける場所!」というような位置づけです。

専攻科へ進学する学生の割合

高専本科の卒業生がどれくらい専攻科へ進学するのかというと、およそ17%の学生です。

進路選択割合
就職58 %
進学(大学編入)22 %
進学(専攻科)17 %
その他3 %
出典:国立高等専門学校機構 就職・進学データ資料「令和元年度本科卒業者進路状況」

また、専攻科修了後の進路は下記です。

進路選択割合
就職66 %
進学(大学院)32 %
その他2 %
出典:国立高等専門学校機構 就職・進学データ資料「令和元年度専攻科修了者進路状況」

より詳細について、データを確認したい方はこちらのリンクをご参照ください。

大体2割弱の学生が専攻科へ行くので、専攻科進学の選択肢は珍しくはないようです。

さて、専攻科への進学状況はなんとなく把握していただけたと思います。

ここからは実際に専攻科へ進学すると何がいいのか、OBの感想をご紹介します!

※実際にOBである友人に聞いてみた回答を記載しています。あくまで個人の感想ですので、ご参考までに。

スポンサーリンク

専攻科進学のメリット

専攻科に入りやすい

専攻科への入学は3つの選抜方法があります。

  1. 学力選抜
  2. 推薦選抜
  3. 社会人特別選抜(企業などの在職期間が1年以上の者)

多くの本科生は学力選抜による試験を受けます。
しかし、本科時代からそれなりの成績があれば、ほぼ顔パスで通過することができるそう

学校としても優秀な人材と分かっているので、専攻科生として活躍してもらえ、Win-Winなのでしょうか。

新生活に備える必要がない

専攻科へ入学するとなった場合、本科生の頃から場所は同じのため、引っ越しなどが不要です。

そのため、住民票を移したり、引っ越し費用がかかったりするという面倒がないのもメリットの1つだそうです。

その分、高専本科の卒業旅行にパーッとお金を使えるのも良いですね。

修了後は大卒扱い

専攻科を修了すると、大学学部卒と同じ扱いの「学士」の学位が取得できます

そのため、比較的簡単に入学でき、大卒の学位も取得できるのがメリットだそうです。

もし、大学に行きたいとなった場合でも、専攻科を卒業後に大学院へ進学するという選択ができます。

本科課程と同じ研究ができる

本科時代から着手していた研究内容を、そのまま2年間延長して携われるのもメリットだそう。

大学へ進学するとなると、研究室配属からやり直すことになります。

そのため、自分のやりたい研究ができている学生にとっては、専攻科という選択肢もありなのではないでしょうか。

より深い専門知識が学べる

大学でも同様に深い専門知識が学べることに変わりはありません。

しかし、専攻科は本科課程からの延長のため、どういった講義があるのか、どんな人から学べるのかの情報が入手しやすいです。

そのため、教授の講義の受け方のコツを掴んでおいたり、話しやすい関係だと、講義では聞けないような専門性の高い知識が習得できるのでしょう。

また、高専では企業と連携した共同教育プログラムも実施しているため、より実践的な勉強ができる点も良いそうです。

この点は進学先によってどの企業と連携しているのかも異なるため、ご自身の興味のある進学先について、調べてみてください。

専攻科進学のデメリット

環境が変化せず、少人数のため刺激がない

本科課程から生活の環境はほとんど変化しません。また、これまで一緒だった友人も就職や大学編入で、人数がガクッと減ります。

そのため、刺激がない生活になるそうです

この点、大学編入は生活環境も変わるため、新しい新天地で出会いや刺激が多いのは間違いないでしょう。

授業は取るか取らないか

専攻科の修了要件は、「必須科目:△単位、選択科目:△単位以上、合計:62単位以上」というふうに規定されています。

しかし、「基本的にはこのカリキュラムを受講してね」という感じに決まっているそうで、自分の好きな科目を選択するというよりかは、「この単位は要件をすでに満足するから取らない」という風に「取るか、取らないか」を選ぶというニュアンスが強いそうです。

これは、下記2点が理由なのか思います。

  1. 専門学校のため学科数が少なく、そもそも選択科目が少ない
  2. 専攻科生自体の人数が少なく、講義が少数向け(専門知識前提)に設計されている

一方の大学はというと、色々な学部が集まっており、その分講義の数も多いため、専攻科と比較すると「選択科目を自分で選び、カリキュラムを組み立てる」という感覚は強いのだと思います。

大学院への進学が面倒になる

専攻科修了後に大学院へ進学しようする場合、進学先の教授とのコネが必要になります。

そのため、その教授へコンタクトを取り、大学へ訪問したりする必要があります

これが面倒で、就職を選ぶという人もいるみたいです。

授業をサボりがちになる

科目にもよりますが、基本テストの点数が取れれば単位が取れるそうです。

そのため、授業を受けるのが適当になったり、サボりがちになるようです。

大学でも同様な人はいるため、専攻科特有のデメリットではないでしょうが、そういった緩い側面もあるみたいです。

当時に戻れるなら専攻科を選ぶ?

最後にこの質問を聞いてみました。

当時に戻れるとしたら、また専攻科を選ぶ?それとも大学編入?
大学院に行くことは考えてなかったから、楽に行ける専攻科をまた選ぶと思う!

友人にとっては、「比較的楽に入学できて(受験は面倒で)、好きな研究ができる」という環境が良かったのだと思います。

その点、大学編入をすると新しい環境に慣れ、研究室の配属争いを経て、研究に着手というプロセスが必要なため、面倒といえば面倒です。

一方で、さまざまな学部やサークルがあり、交流や人脈が増えるのは、大学編入のいいところです。

私は戻れるとしても、大学編入を選択します

もちろん、どちらが良い悪いかではなく、それぞれ良し悪しがあります。

進路選択はその後の人生に大きく関わるため、上記を参考に悔いのない選択をしていただければと思います。

その他高専に関する記事

この記事が専攻科進学にお悩みの学生、保護者の方のお役に立てれば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

この記事を書いた人
Hurari

音楽、旅行、DIY、筋トレが趣味のHurariです。
これまでにアジア8ヵ国を旅しています。

いつかは世界一周クルーズ旅をしたい!

Hurariをフォローする
高専のこと
スポンサーリンク
Hurariをフォローする
ふらりBLOG
タイトルとURLをコピーしました